北海道3泊4日の鉄道旅の最終日は、札幌を出発して函館本線の山線と砂原支線に初乗車して締め括りたいと思います。
キハ183系に記念乗車
函館本線を小樽に向かう前に、是非とも乗っておきたい車両がありました。それは今年3月のダイヤ改正で定期運用から退くキハ183系です。
昨年もこのキハ183系の大雪4号で網走から旭川まで乗り通しましたが、引退が決まってしまったので、最後に短時間でもよいからもう一度乗りたいと思った次第です。
当初の予定である函館本線の山線と砂原支線を乗車して今日中に東京に戻るためには、長い距離・時間の乗車は無理です。時刻表とにらめっこした結果、砂川までの乗車としました。
札幌発のオホーツク1号に乗車するため、早朝6時すぎにホテルをチェックアウトして駅に向かいます。今日は朝から小雪がちらつく空模様となっています。
札幌駅7番線のホームにはまだお目当ての列車は入線していません。自由席車両に乗車するため4号車の乗り場位置に並びます。列に10人くらい並んだところで、オホーツク1号がやってきました。
4号車に乗り込み席に座ります。この車両は自由席車両ですが、17番AB席だけは指定席となっています。最後尾のかぶりつきシートですね。
オホーツク1号は定刻に札幌駅を出発。終点の網走までは5時間以上の長距離走行です。
おそらくキハ183系最後の乗車になるため、その思いをかみしめて短い乗車を楽しむことに。
国鉄型車両がまた消え行くのは寂しい限りですが、最後まで現役の走りを見守りたいと思います。
車窓には、空を覆った雲の間から朝日が差し込む光景が広がっています。
このオホーツク1号を通勤や通学に利用する乗客も多くようで、途中の駅で降りていきます。
網走まで乗りとおす人は少ないのでしょうね。
約50分の乗車で砂川駅で下車。短時間でも最後に乗ることができて満足しました。
ホームから発車する列車を、姿が見えなくなるまで見送って記憶に残します。
札幌までの折り返しは、カムイ8号。781系1000番台の電車特急です。
カムイ8号は、多少の遅れをもって札幌駅に到着。
昼食を購入して小樽へ
今日は列車の接続時間の関係上、お昼をどこかの店で食べる余裕がないため、昼食を買い出しに行くことにしました。
あらかじめ予定していたのは、札幌市民にはお馴染みの「サンドリア」、手作りサンドイッチの店です。中島公園近くにあるため、早速地下鉄南北線で最寄り駅の中島公園駅へ向かいます。
中島公園駅を降りて、雪道を西方向に歩くこと約10分、目的地に到着しました。
■サンドリア 本店
住所:札幌市中央区南8条西9丁目758-14
(東屯田通り)
電話:011-512-5993
フリーダイヤル:0800-600-3101
営業時間:24時間営業
年中無休
※年末年始12/28-1/2休み
店内に入ると、ショーケースに惣菜系とスイーツ系のサンドイッチが所狭しと並んでいます。惣菜系・スイーツ系から1つずつ選び、急ぎ札幌駅に戻ります。
結構時間ギリギリになってしまったので、急いでホームに。
小樽行きのエアポート85号は5分ほどの遅れで札幌に到着し、乗降客を入れ替える形で発車。
列車は風光明媚な海岸線沿いを進み、30分ほどで終点の小樽に到着しました。
次に乗る倶知安行きの列車まで、あまり時間はありませんが、一旦改札を出て駅前に出てみます。
やはり観光都市だけあって、外国人も含めた多くの観光客を見受けます。
小樽駅の駅舎を見渡してから駅舎内に戻ります。まだ少し時間があったので、お土産店をぶらついていたところ、駅弁の「かにめし」が目に入りました。
今日の夕食は新幹線の中で駅弁にしようとしていましたが、新函館北斗での乗り換え時間が短く、買い損ねると困ると思ったので、ここで購入することに。
無事今夜の夕食も確保してから、ホームに向かいます。
函館本線の山線に乗り納め
倶知安行きの2940DはH100形の2両編成です。
この列車に乗る乗客は結構多くて、発車するまでにほぼ席は埋まるほどの乗車率です。
普通列車でボックス席もすべての席が埋まるのは北海道に来て珍しいことでした。
途中の余市で多くの人が降りるかと思っていましたが、下車した人は意外に少なく、結局乗客のほとんどは終点の倶知安まで乗っていました。
終点の倶知安に到着すると、ほとんどの人は改札を出ていきました。ニセコあたりに行くのでしょうか…。
乗り継ぎ列車まであまり時間がないので、そのままホームに留まり長万部行きの列車を待ちます。
そうしていると、改札が始まったのか、ぞろぞろと結構の人数の人がホームにやってきました。
そして、入線してきたのはH100形の1両のみです。
この人数で1両とは車内はとても混みそうですが、予想通り立ち客も多く車内はにぎわっています。おそらく、乗客のほとんどが、終点の長万部から函館方面に向かい、新幹線や飛行機で帰る観光客と思われます。
廃線となる山線でのんびりとしたローカル線旅を楽しもうと思っていたところ、これは予想外の展開ですね。
車内で札幌で買ったサンドイッチを食べることにしました。
列車はニセコ駅でさらに乗客を乗せて走り続けます。スノボなど大きな荷物を抱えた人も多く、西欧人風の外国人も乗り込んできました。
ニセコ駅を出ると、進行方向左手に羊蹄山のどっしりとした山容が車窓いっぱいに映ります。なんとも迫力のある山ですね。
列車は倶知安から1時間半で終着の長万部に到着です。
25分ほどの待ち合わせで、函館行きの特急北斗12号に乗り換えます。
およそ40分の乗車で森駅に着きました。
渡島支線に初乗車
3日ぶりに森駅に戻ってきました。次に乗る列車まで40分ほどあったので、再び森駅前に降り立ちました。3日前と変わりない、静かな駅前です。
さて、今度乗る列車が今回の北海道鉄道旅で最後の乗車となります。
それは、今回初めて乗る函館本線の砂原支線です。時間の関係もあり、これまでなかなか乗る機会がなかったのですが、ようやく乗ることとなりました。
ホームには、これから乗る5884Dの入線前に大沼行きのキハ40 1792が停車していました。
いよいよ最終ランナーの5884Dの登場です。車両は初日にも見かけたキハ40 1801です。
5884Dは数人の乗客を乗せて森駅を出発します。
列車は駒ヶ岳の東側をぐるりと回って大沼に向かいますが、初めのうちは海岸線沿いを走りっているものの、しばらくすると山間の路線となり、海岸からは離れた場所を徐々に高度をあげていく感じです。
列車はゆっくりとした走りで、本線との合流となる大沼駅に着きました。
すると、運転士から車内放送があり、交換する下り列車が遅れているので、新函館北斗ではやぶさ44号に乗る予定の方は申し出てほしいとのこと。
まさに、その新幹線に乗る予定だったので、運転士に申告したところ、新函館北斗での接続時間はぎりぎりとなることから、駅員が誘導しますとのこと。
あたりはすでに真っ暗となった車内で冷や冷やしながら乗車していましたが、はやぶさ44号の発車時刻の3分ほど前に着いたので、駅員に連れられ急いで新幹線ホームに。駅で何も買うことはできず、そのまま乗車となりました。
思い出を胸に帰路へ
もともと新幹線との接続時間が9分しかなかったので、ゆっくりはできないものと考えていましたが、乗れただけでも幸いです。昼間に小樽駅で夕飯用の駅弁を買っておいて正解でした。
新青森駅を過ぎて車内販売でお茶を購入して、駅弁を食べながら一路東京へ。
思えは、大雪が続いていた北海道で、積雪やシカとの衝突などによる列車の運休や大幅な遅延もなく、予定通りに3泊4日の鉄道旅を終えることができたのはとてもラッキーでした。
今回も、キハ40を中心に北海道の鉄道旅を満喫することができた嬉しさと同時に、廃線や廃車が見込まれる鉄道事情に寂しさも感じました。
余命短くなった車両たちに会いに、また来年も来たいと思わせる鉄道旅でした。
【キハ40を追う~北海道編2nd】(完)