シリーズ4回目の今回は、新函館北斗から本州に戻り、ダイヤ改正により運用が終了するJR津軽線でのキハ40乗車をしたのち、青森で宿泊する様子をお伝えします。
「奥津軽いまべつ」から「津軽二股」へ
はやぶさ518号で青函トンネルを抜け、本州に戻るとまもなく奥津軽いまべつに到着しました。

奥津軽いまべつ駅は、JR津軽線との乗り換え接続駅となっているため、ここで下車して津軽線の津軽二股駅に向かいます。

津軽二股駅は奥津軽いまべつ駅から少しだけ離れていて、長い連絡通路の先に設置されたエレベーターを4階分下り、そこから駐車場を通り越した先にあるため、歩くと10分ほどかかります。
ただ今回は奥津軽いまべつに10時22分に着いてから、津軽線の次の列車まで1時間半以上もあるため、のんびりと移動します。

殺風景な駅前広場を横目に見て駐車場を抜けると、津軽二股駅に隣接して「道の駅いまべつ半島プラザアクスル」がありました。

寒さから逃れるため速攻で入店。店内には地元の特産品やお土産があります。いろいろ物色した中で、真空パックのしじみを購入。その後喫茶コーナーでコーヒーを飲みながら時間をつぶします。
それでも時間を持て余したため、ふたたび奥津軽いまべつ駅に戻り、待合室のベンチでボーっと過ごします。その間に到着した下りの新幹線もありましたが、乗降客はかぞえるほど。
ようやく時間も近くなり、いよいよキハ40乗車のため津軽二股駅に向かいます。
時間近くになると、どこからともなく鉄道ファンと思しき面々が集まりだし、彼らの目的がキハ40の乗車であることは容易に想像できます。
津軽線のキハ40に乗車
ホームの傍らで待っていると、キハ40系の2両が津軽二股駅に滑り込んできました。

車両は先頭の五能線色キハ48 516と後方は首都圏色のキハ40 522です。北海道ではキハ40形のみだったので、もともと車両数が少ないキハ48形に出会えて心躍ります。入線時の列車を写真に収めてから後ろよりの車両に乗り込みます。

- 津軽線のキハ40系は、秋田車両センター所属の五能線組として運用される車両です。
- このキハ40 522は、前年の青森鉄道旅行の際、五能線の五所川原から弘前まで乗車したキハ40系3両編成にも組み込まれていましたが、今回また会うことができました。
- 朱色5号(首都圏色)に塗色変更された車両ですが、前面窓のHゴムが白色であることや、側引戸窓に保護柵が取り付けられていることから、原型に近い姿とされています。


そこそこ鉄道ファンがいたとはいえ、一人でボックス席を占有できるほどの人数です。

12時9分、列車は心地よいディーゼル音を響かせて三厩にむけて走り出しました。しばらくすると右手に海岸線が現れ、列車は陸奥湾沿いに北上します。気持ちの良い時間が流れます。

それにしても、キハ40の発車時のエンジンのうなりはいつ聞いてもいいですね。JR北海道のキハ40はあまりエンジンをうならせず走行していた印象がありますが、ここでは本来のエンジンを響かせて耳を楽しませてくれます。キハ40の乗車は目で見て、そして音を聞いて楽しむことができて全く退屈しません。
津軽浜名を出て海岸線に別れを告げると、まもなく終着の三厩に着きました。

三厩駅で撮影タイム
列車がホームに到着すると、多くの鉄道ファンが2両のキハ40を丹念に撮影しています。その中に3人ほどいた「鉄子」さんも熱心に写真撮影をしています。私はスマホでの記念撮影程度ですが、彼女たちはみな立派な一眼レフを構えてます。

津軽線における最終運用日も間近に迫っていることもあり、皆さん写真撮影に余念がありません。
キハ48の先頭には、「ありがとうキハ40・48形」と書かれたヘッドマークが掲げられていることも記念になります。

13分の待ち時間の後、同じ車両が336Dとなって12時37分に三厩駅を出発。この336Dは、1日1往復だけ津軽線の青森~三厩間を通し運転する列車です(電化区間は青森~蟹田間)。

折り返し蟹田まで乗車
上り336Dは下りで通った線路を戻り津軽二股を過ぎてさらに進んで、三厩から40分ほどキハ40に揺られると蟹田駅に到着、ここで下車します。降りたのは、私と鉄子さん一人くらいです。


ここからもう一度三厩までの往復乗車をしますが、次の列車まで1時間程度あるので昼食タイムとします。駅前から少し歩くと、「ウェル蟹」という駅前市場があったので入ってみると、物産販売のほかに食事ができるコーナーもあります。他に当てもないので、一人この「ウェル蟹食堂」で煮干しならぬ「焼干しラーメン」を注文し、静かにランチを楽しみました。


ホームに戻ると、先ほどの30代くらいと思しき鉄子さんとまた会ったので話しかけてみると、どうやら地元青森の方のようで、やはり同じようにキハ40を追って撮影をしているとのこと。そうこうしていると彼女が「来ましたよっ!」と下り列車が近づくのを教えてくれたので、慌ててカメラを構えます。

キハ40でもう一往復
蟹田駅のホームに入ってきた337Dは、首都圏色のキハ48 505と五能線色のキハ48 1504の2両です。キハ48 1504は、先程乗ったキハ40 522と同様、前年乗車した五能線の3両のうちの1両です。
この2両にはいずれもヘッドマークは掲げられていませんが、側面窓にキハ40の写真とともに「ありがとう キハ40系」と書かれたポスターが貼られていました。



後ろよりの五能線色のキハ48形のボックスシートに腰を下ろし、再び揺られること40分で、再度三厩にやってきました。


ひととおり撮影タイムを終えると、折り返しの338Dの発車まで50分近くあったので、無人の改札を抜け三厩駅の駅前に出てみます。ここ三厩駅は津軽半島最北端の駅として、龍飛岬観光の玄関口となっていますが、駅前には特に何もありません。



キハ40、本日ラスト乗車
他の鉄道ファンの方々も駅を出て特にすることもなく、皆さん今乗ってきた列車に折り返し乗車するため、2両の車両に乗り込んで発車時間を待っています。


14時50分、蟹田行きの338Dがゆっくりと三厩を後にします。これが今日最後のキハ40の乗車です。後ろの首都圏色車両に乗り、残り40分ほどの乗り鉄を楽しみます。
津軽線でのキハ40の2往復乗車も残りわずかとなりました。
そして16時17分、338Dの終点である蟹田に到着しました。

ここでキハ48形2両とお別れし、青森行きの701系に乗り換えます。

名残惜しいですが、キハ40の2往復乗車ができたことに「満足」のひとこと。
701系の340Mは、17時13分に青森に到着し、本日の鉄旅は終了となりました。
青森のホテルに宿泊
今晩の宿は「ダイワロイネットホテル青森」。青森駅から15分ほどの歩きでホテルに着きました。
ビジネスホテルに泊まる場合、ここのところ、「ダイワロイネットホテル」か「リッチモンドホテル」の利用が多いです。両者ともホテルの造りは似ていて、比較的リーズナブルな料金ですが、清潔感があり安心して泊まれるホテルとして重宝しています。
チェックインを済ませて夕食に向かいますが、以前昼間に行ったことのある駅近の「おさない」にしようかと思っていたところ、ホテルの1階にしゃれた感じの食事処がありましたので寄ってみることにしました。朝はホテルの朝食会場にも使われているようですが、夜は本格的な日本料理もある「UGUISU」というお店です。
ビールとともにつまみを注文しますが、若い女性の店員が勧める「おばんざい」を何品か頼みました。他の客がほとんどいないので、暇を持て余してか彼女が話し相手になってくれますが、聞くと、沖縄出身だという彼女は、看護関連の学校に進学するため、沖縄からわざわざ青森まで来ているとのこと。恐れ入ります。

せっかくなので、軽く日本酒を頼むことになり、彼女に聞くと「季節の地酒セット(おちょこ3種)」でお好みの日本酒を選ぶのが良いかと。中でも「裏八仙」は見た目にも興味深く1種目としてチョイス、残り2種はお任せしました。

▼「裏八仙(八仙の裏ラベル)」に興味のある方は下記の記事をご覧ください。
ほろよい気分になり、ホテルに戻って今日のキハ40乗車を思い出しながら就寝。
今回の記事はここまでです。
旅程3日目の次回は、津軽線に続き五能線でのキハ40乗車となります。