【キハ40を追う~北海道編(Vol.5)】寒風吹きすさぶオホーツク海沿いの釧網本線で北浜駅へ立ち寄る

鉄道

3日目を迎えた北海道鉄道旅は、網走から釧網本線の北浜駅までの乗車をしてから網走に引き返し、特急大雪号・ライラック号を乗り継いで札幌方面まで戻る計画です。

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「ドーミーイン網走」での朝食

今日はこの度の3泊4日の鉄道旅で、はじめてゆっくりとホテルで朝食をとります。

ドーミーインのバイキング形式の朝食はおいしいことに定評があり、各ホテルごとに地元の名産が提供されます。ここ網走ドーミーインの目玉は「かにめし」です。

朝食が始まる6時少し前に朝食会場に行くと一番乗り。朝食時間になると、まず真っ先に「かにめし」へ。ほぐしたかに身が入っていて見た目にもおいしそう。続いて、いくらやサーモン、甘エビなどを好きな分だけ載せる海鮮丼もあります。

「かにめし」もあるドーミーイン網走の朝食

鮭や卵焼き、ソーセージなどの定番のほか、イカの塩辛などの小鉢も用意されていてどれもおいしそう。結局2巡目に突入し、満足のいく朝ごはんとなりました。

さて、今日はキハ40への乗車はないものの、釧網本線の北浜駅までの往復乗車をしてから、キハ183系の特急大雪号で旭川へ、さらに特急を乗り継ぎ札幌、そして宿泊予定地の苫小牧へ向かう予定です。

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厳寒の釧網本線で北浜駅へ

網走10時24分発の釧網本線「快速 しれとこ摩周号」に乗るべく、ホテルを10時前に出発します。今日は朝から小雪が舞っていて晴れ間は望めそうにありません。

ふかふかの新雪を踏み歩きながら、15分ほどで網走駅に着きました。

網走駅舎内に貼られた鉄道関連の掲出物

3番ホームにはすでに釧路行のキハ54形が待機していますが、1番線から遠軽行のキハ40形2両編成が発車するところだったので、すかさず写真撮影。編成はキハ40 1737とキハ40 1727でした。

キハ40の遠軽行を見送る

遠軽行の4658Dを見送ると、目的の列車は4分後に発車するため急いで3番線へ。キハ54形の3727D「快速 しれとこ摩周号」(キハ54 523)の前面はすでに雪まみれになっています。

快速「しれとこ摩周号」

このキハ54形は座席が中央位置から向き合う配置の、いわゆる「集団お見合い方式」となっているのが特徴です。座席はほぼ埋まっていましたが、進行方向とは逆向きとなるも海側の窓席に座ることができました。

キハ54 523の車内

3727Dは小雪が舞う中、釧路に向けて網走を発車します。列車が走行すると、雪が舞い上がる様子がうかがわれ、これによって雪まみれになっていることがわかります。

桂台駅を出てしばらすると、釧網本線の線路はオホーツク海沿いに伸びていきます。今日は風も強く、オホーツク海が荒々しく波を立てています。

北浜駅は網走から4駅目、16分の短い乗車で到着です。ホームに降りて走り去る列車を見届けますが、とにかく寒い。急いで駅舎に駆け込みます。

駅舎内に「停車場」のある北浜駅

以前、家族旅行で北浜駅を訪れたことはありますが、夏休みで穏やかな感じでした。しかし今回は真冬の、そしてオホーツク海からの寒風をまともに受けている状況なので、とても寒く、厳冬期の厳しさを思い知ります。

駅舎で営業している「停車場」という喫茶店は有名ですが、まだ開店前で閉まっていました。折り返しの上り列車まで1時間ほどあったので、寒さをこらえて展望台にのぼってみます。

知床連山は見えず…

目の前には冬のオホーツク海。厳しい自然を肌で感じながら写真を撮っているも、寒風で手がかじかんで長居はできません。早々に退散し、再び駅舎へ戻ります。

オホーツク海からの寒風が吹きすさぶ

駅舎の壁面や天井には、全国各地から来た人の名刺が隙間もなく貼られています。長い歴史の中で積み上げられた光景です。それにしても、天井にはどうやって貼ったのだろうか。

駅舎内の壁一面に貼られた名刺

「停車場」も開店しましたが、あまりゆっくりできないので入店を諦めて上り列車を待ちます。すると、知床斜里駅からの遠隔放送と思われるアナウンスがあり、上り列車が雪の影響もあり、6~7分ほど遅れているとのこと。

そのまま駅舎内で待っていると、7分遅れで列車が到着。網走まで戻る上り列車もキハ54形の「しれとこ摩周号」です。今度は前面青帯、側面には「クリオネ」が描かれています。

雪まみれで到着した上り「しれとこ摩周号」

釧路方面からの乗客は多くて海側席は埋まっていましたが、なんとか着席できました。列車は遅れ時間を保ったまま、網走まで戻ってきました。

迫力ある排雪作業

到着ホームの反対側には上川行の4525Dが待機しています。キハ40とキハ54の混結編成です。乗り継ぎ客を乗せるために待っていたのですが、遅れもあり乗り継ぎ客を乗せると同時に発車していきました。

キハ40とキハ54の混結編成

列車が走り去った網走駅の構内は閑散としていて、終着駅とし趣のある様相を呈しています。

趣のある網走駅構内

すると、1台の排雪車両がゆっくりと近づいてくるのが見えました。HRT600形のディーゼル排雪車でしょうか。すかさがカメラを手に取って撮影していましたが、側線上をホーム間際まで近づいてくると、かなりの迫力があります。まじかで貴重な光景を見ることができたのは幸いです。

HTR-600形による排雪作業

ひととおり見終わってからいったん改札を出て、次に乗る大雪4号を待つこととします。

昼時なので、何か食べ物を調達しようと駅前に出てみますが、それらしき店は全くありません。コンビニもなく、しかも駅構内に唯一あって弁当を扱っている喫茶店も今日は休業のようです。しかたなしに、昼飯は非常時用に持参した行動食(おかし)で我慢することにして、自販機で暖かい缶コーヒーだけを買って改札を入ります。

キハ183系「大雪4号」で旭川へ

さて、旭川行きの特急「大雪4号」は、老兵のキハ183系の4両編成です。JR北海道のホームページで、日程によっては新鋭のキハ261系5000番台運用の「ラベンダー」編成で運転される日もありましたが、あえてその日程をはずしてキハ183系運用の日を選びました。

このキハ183系もキハ40系と同様、この先の活躍期間はそう長くないと思われます。今年(2022年)のダイヤ改正では生き残ったようですが、来年は引退となるのでしょうか?

発車待ちのキハ183系「大雪4号」

この日の編成は、遠軽方面を先頭にキハ183 9562+キロ182 7551(ダブルデッカー)+キハ182 7551+キハ183 4558です。車両側面の塗装が剥がれているのが痛々しく感じますが、哀愁を感じながらもその頑張りにエールを送りたいと思います。

塗装の痛みが痛々しい

キハ183系の大雪号には “特等席” があります。今回私は取れませんでしたが、その座席は「1号車 17番AB席」です。なにしろ、前面展望が楽しめる席なので、同じ指定席料金を払うなら確保しないわけはありません。大雪号は1号車が指定席車両ですが、石北本線は遠軽駅でスイッチバックするので、下りは旭川-遠軽間、上りは網走-遠軽間で1号車が先頭車両となります。逆向きになっても、後面展望が楽しめるので上りであっても十分お得な席です。

列車は遠軽に到着すると方向転換するため、乗客たちは前後の人に声を掛け合ってリクライニングシートを回転しています。

特急大雪4号は、行きにキハ40が苦労した北見峠を難なく通過し上川へ、そして旭川に近づくと夕暮れ時の車窓には雪原の先に夕日が落ちていく様子が映ります。

雪原の先に落ちる夕日

前日、キハ40を乗り継いで旭川から網走まで10時間かけた区間を4時間弱で走り切りました。老兵のキハ183系といえども、さすが特急列車です。

大雪3号となって網走へ折り返す

旭川に着くと、10分程度の待ち合わせで札幌行きの「ライラック34号」に乗り換えです。

道内初電車の「ライラック34号」

2日前に新函館北斗を出てから初めての「電車」です。道内の電化区間は札幌を中心とした一部の区間に限られていますからね。

789系の「ライラック34号」
SORACHIラッピング編成

16時30分発の「ライラック34号」には先頭6号車の自由席車両に乗って出発。旭川出発時には空席も多かったのですが、通勤時間とあって札幌に近づくにつれ乗客が増え、岩見沢では満席となり立ち客もでています。特急での通勤客も多いのですね。

列車は若干の遅れで18時に終着の札幌に到着です。1日ぶりに札幌に戻ってきました。

今日は札幌駅近くで夕食を済ませてから、宿泊先の苫小牧まで行く予定です。

しかし、この後とんだ事態に巻き込まれることになるとは、この時は知る由もありませんでした。


夕食以降の様子と、翌日の日高本線でのキハ40乗車は次回の記事にてご紹介します。

>>【キハ40を追う~北海道編(Vol.6)】へ続く

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