今回は奥穂高岳シリーズの最終回です。前日に奥穂高岳登頂を果たし、最終日の3日目は下山するのみですが、その前に山荘からのご来光を拝みました。
登山コースの紹介
感動のご来光
ご来光を見るためには、やはり山頂近くの山小屋かテントに泊まる必要があります。
前年に初めて山小屋に泊まったものの、ご来光を見ることなく朝を過ごしてしまいました。
今回は、標高3,000m近くに立つ穂高岳山荘前からなので天気が良ければ申し分ありません。
朝4時頃に起床してまだ薄暗い山荘前に出てみると、すでに多くの人がご来光目的に待機しています。
前日の午後からガスが出てきて、山頂は真っ白だったので今朝の天気を心配していましたが、雲は少なく、絶好のご来光が望めそうです。
日の出前ですが、あたりが白々としてきました。このピンクがかった薄紫の空の色は独特ですね。
いわゆる「モルゲンロート」の赤さより淡いのですが、おそらくそれの一種なのでしょう。
眼下には雲海が広がっています。これも山小屋泊ならではの “特典” です。
山と山との切れ間に「滝雲」も見られます。雲が滝のように流れ落ちているようで、見られる頻度は雲海よりレアですね。
涸沢を見下ろすと、一面がやはり薄赤色に染まっていて幻想的な雰囲気を醸し出しています。
日の出が近くなると、太陽が顔を出すあたりがオレンジ色に輝いてきます。まもなく日の出です。
そして、午前4時55分、眩いばかりの “ご来光” です。やはり山の上からの日の出は感動的ですね。
空全体が明るくなってくると、雲間から太陽の光が放射線状に降り注いでいる様子もうかがえます。今朝は天気が良く、素敵なご来光を拝むことができて、とても満足しました。
上高地まで一気に下る
山荘で朝食を済ませ、あとは1日かけて上高地までひたすら下ります。
まず昨日登ったザイテングラートの下りから。岩場であれば、登りよりも下りのほうがより足元に注意する必要があるので、一歩一歩慎重に下り進みます。
昨日の登り局面では特にトラブルを起こすことも、へばることもなく山頂まで行けたのですが、ザイテングラートを下り切ったあたりから、足の筋力がきつくなり、思ったように足が前に進まなくなってしまいました (-_-;)
前日の疲れが蓄積していたのかもしれませんが、涸沢に着いた時点で足の踏ん張りがきかない状態に。
痛みがあったわけではなかったのですが、植松さんが膝のサポーターを付けたほうがいいと言われ、お借りして装着しました。
涸沢小屋で涸沢の美しい景色を目に焼き付けながら十分に休憩したのち、横尾まで最後の下りに出発。
本谷橋までの下りはきつく、ときどき止ったりしてメンバーに迷惑をかけてしまいました。
本谷橋からは傾斜も緩み、ゆっくり歩いていると、幸いにもだんだんと回復基調に。
そして、山道を降り切り、横尾山荘に着いたころには、すっかりと元気が戻っていました。
横尾山荘では、上高地からのバスの発車時刻との関係で3~4人位が、休憩もそこそこに別れを告げて出発していきました。
残ったメンバーで昼食タイム。植松さんからは「ここのスタミナ丼はうまいんだよ」といわれたので、ご推薦のスタミナ丼を注文。確かにおいしく、疲れた体には元気がでる一品でした。
ここ横尾からは上高地バスターミナルまで9km、平坦な道を3時間を歩くのみです。
足も完全に回復したので、全員足早気味に歩きを進めます。徳沢では、お約束の “ソフトクリーム” をいただき、リフレッシュ。さらに次の明神では、暑さも手伝い冷たいジュースを一気飲み。
そして、長い道のりを歩いてスタート地点の上高地ビジターセンター前を通過し、そのまま上高地バスターミナルに到着しました。
ここで植松さんともお別れ。今回は足の不調もあり、少し迷惑をかけてしまったので、「鍛えなおしてまた参加します」と伝えました。
メンバーとも別れ、歩き切った充実感を胸に、沢渡経由で帰路の人となりました。
帰宅後に、植松さんから「また山にご一緒しましょう」とのメールが。
今度こそは槍ヶ岳を目指したいと思い、その思いを返信メールするのでした。
登山ルートと所要時間
アクセス:※上高地にはマイカー乗り入れ禁止(釜トンネル入口から上高地まで通行禁止)
【マイカー】 長野自動車道松本ICから沢渡駐車場まで約33km、40分
さわんどバスターミナルから上高地までシャトルバスで約30分
【電車・バス】松本-新島々(アルピコ交通・上高地線)30分
新島々~上高地バスターミナルまでアルピコ交通バスで1時間5分
※松本バスセンターから上高地までの直通バスあり(予約制)
所要時間:
【1日目】上高地バスターミナル・・河童橋・・明神・・徳沢・・横尾山荘(約3時間)
【2日目】横尾・・本谷橋・・涸沢・・穂高岳山荘・・奥穂高岳・・穂高岳山荘(約7時間)
【3日目】穂高岳山荘・・涸沢・・横尾・・・河童橋・・上高地バスターミナル(約7時間)
※上記時間には休憩時間は含まれていません。
※登山ルートの地図は、山と渓谷社の承諾を得て使用しています。
☞ヤマケイオンラインのサイトへ
【奥穂高岳 Vol.1~4】(完)