【山地図】事前のコース設定と当日のルート・現在位置確認に推奨できる地図を3つに厳選して紹介

登山

山地図は大きく分けて、紙によるものと、主にスマホで活用されるアプリによるものがあります。
登山へ行く前のコース設定や、当日の登山中に現在位置や進むべきルートの確認をするときに、それぞれの目的に応じた有効的な活用が望まれます。

今回の記事では、多くの人に使われている代表的な山地図の中から、私が主に使っている山地図について紹介し、その利用方法の解説をしたいと思います。

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「山と高原地図」

まずは紙の地図ですが、「紙」の地図といっても、登山に持っていくことを前提に、破れにくく、濡れても使用に支障がないよう、主な山地図には耐水性紙が使われています。

山地図の代表格といえば、まずこの「山と高原地図」が思い浮かびます。
MAPPLEブランドとして昭文社が出版していますが、その歴史は古く1965年の創刊以来、幾度かにわたる改訂が加えられ現在の形になっています。

2021年4月現在、エリア別に61点が用意され、日本中の主要な山域を網羅しています。

地図は5万分の1の縮尺で、色使いも見やすく、主な登山ルートが赤線で示され、ポイントごとの所要時間が表記されています。また、危険個所や見晴らしスポットなどの注記もされているので、これ1冊あればほとんどの用が足りることでしょう。

「急坂注意」「クサリ場注意」など危険個所を注意喚起

また、裏面には周辺山域の地図も掲載され、目標とする山との位置関係も確認できます。
地図のほかに、別冊として対象山域の説明や各コースの詳しいガイドも付録されていますので参考にしてください。

>>昭文社「山と高原地図」のサイト

「山と高原地図」2021年版について

2021年版の「山と高原地図」が、2月22日に40点、3月5日に21点発売されています。
2021年版の発売を記念した購入者限定キャンペーンが実施されていて、購入者には、「山と高原地図ホーダイ」アプリをインストールして、付録冊子巻末のQRコードを読み取れば、購入した出版物と同じエリアのアプリ地図が、1年間無料で利用できる特典が付いています。
(QRコードの有効期間は、2022年3月31日まで)
※「山と高原地図ホーダイ」アプリについては後述。
※特典利用者のユーザー登録料・月額利用料は無料(購入した地図のエリアに限る)。

紙の地図の利点としては、スマホの狭い画面とは違い、地図を広げれば対象山域を途切れることなく一覧的に確認できることです。
俯瞰的に広く見ることにより、登山ルートがいくつかある場合には、視覚的にも検討・比較しやすいですし、スタート地点からゴール地点まで難なく目で追うことができます。

このように、紙の地図は、主に事前の計画段階で使いやすいツールといえます。


《参考情報》

2013年から「山と高原地図 詳細コースガイド」が発売されました。「山と高原地図」のうち、人気エリアを限定してより詳細な情報を盛り込んだシリーズです。

都心近郊の奥多摩や丹沢などに続き、八ヶ岳や北アルプスの主要どころ、南アルプスの北岳などが刊行されました。

詳細コースガイドの特徴は、縮尺を2万分の1にしたうえ、レベル別の2~3の代表的な登山コースが紹介され、それぞれのコースについてついてわかりやすく解説していることです。

コース毎の所要時間はもちろんのこと、主要なポイントを写真付きで解説しているので、見るにも楽しく、また、裏面には山歩きノウハウ立ち寄りスポットが掲載されているなど、初心者向けの構成となっています。

これまでに刊行された「山と高原 詳細コースガイド」シリーズは次の通りですが、パッケージの色を山域の難度レベル別に分類しているようです。

パッケージの色別分類
  • 茶色・・・「八ヶ岳」「剣・立山」「槍ヶ岳・穂高岳」「白馬岳」「北岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳」
  • 緑色・・・「尾瀬」「奥多摩」「六甲山」「丹沢」「高尾山」
  • オレンジ色・・・「多摩丘陵」

ただ残念なことに、現在は出版されていないようで、書店で見かけることもなくなりました。

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「山と高原地図」アプリ

続いて紹介するのは山地図アプリです。
山地図アプリには、「YAMAP」や「ヤマレコMAP」などが知れていますが、ここでも「山と高原地図」のアプリ版の登場です。
紙版と同じく、全国箇所を網羅しているため目的の山選びに困ることはありません。

アプリ版はスマホによる使用が前提となっているので、山行当日に持参したスマホで、あらかじめ設定したルートや、GPS機能による現在位置の確認ができます。
特に、現在位置の確認は、紙地図にはない最大のメリットで、ルート上に人マークで現在位置が表示されるので、ルート正誤の確認や行程における時間管理が容易になります。

紙版は大きく広げる必要がありますが、スマホであれば場所を選ばずコンパクトに対応できますので、行動中のツールとしては山地図アプリに分があります。
バッテリー切れに注意すれば、登山の頼もしい味方となるでしょう。

ちなみに、「山と高原地図」アプリ版には次の2種類があります。

通常版紙版とおなじく61エリア用意されていて、1エリア500円。ダウンロードした地図(当年版)には使用期限はありません。
ホーダイ名前の通り、全59エリアの山地図が月額400円で使い放題。登山計画を作成する機能もあります。

山行の頻度、場所、料金などを比較検討して、どちらかのコースを選択してください。
年間の山行頻度が少ない人や山域が限定している方は通常版のほうがベターですが、年間を通じていろいろな山を楽しみたい方にはホーダイをお勧めします。

ただし、「ホーダイ」は解約するとダウンロードしていたエリアごとの詳細地図が閲覧できなくなりますので、この点も踏まえて選択されるのが良いと思います。

>>昭文社「山と高原地図アプリ」のサイト

au「スマートパス」向けの「山と高原地図」アプリ

auスマホユーザーには、ウイルス対策やお役立ちアプリがセットになった「スマートパス」という有料サービス(税込み409円)があり、その中になんと「山と高原地図」のアプリ(機能はほぼホーダイと同じ)が入っていました。全地域の山地図がダウンロードし放題なので、これを使わない手はありません。当然私もかなりお世話になりましたが、残念なことに、このサービスは2020年末をもって終了してしまいました(ガックシ)。

「ヤマタイム」(ヤマケイオンライン)

最後に紹介するのは、山と渓谷社が運営する「ヤマケイオンライン」上に機能された、「ヤマタイム」です。

「登山地図&マネージャー」と謳われるこのヤマタイムを、私はいつも山行前の地図閲覧、コース設定、所要時間の確認等に活用しています。

それでは、パソコン画面にて説明します。

①まず、利用にあたり「新規ユーザー登録」行ってください(無料です)。

②続いて、「ヤマタイム」から対象の山域を選択し、「大きいサイズの地図をみる」をクリック。
(今回は目的地を三ツ峠山とし「御坂」を選択)

③地図が表示されたら拡大・縮小などしてコースを検討のうえ決定し、右上の「コースタイム計画をたてる」をクリック。

④すると、「3つのステップでラクラク登山計画!」のウインドウが表示されます。
 (それぞれのSTEPについて確認をしてください)

⑤地図に戻り、スタート地点をクリックすると、右側にコースタイムが表示されます。
コース上の地点をクリックしながらゴール地点までたどったあと、それぞれの地点での休憩時間を選択します。山小屋に宿泊する場合は、宿泊の有無を選択できて、翌朝から再スタートの入力ができます。

コース設定が終わったら、保存したのち印刷すると、設定したコースが表示された地図と所要時間の印刷された紙がプリントアウトされます。

私はプリントアウトした紙を登山時に持参し、予定した所要時間と比較するのに参考にしています。

>>「ヤマケイオンライン」のサイト


以上、私が厳選した3つの山地図を紹介しましたが、スマホを使った山地図アプリはGPS機能などにより当日の山行にとても重宝しますが、バッテリー切れのリスクを考慮すると、紙地図も併せて持参するのが賢明だと思います。

今回の記事を参考にしていただき、山地図によって事前計画をしっかり練ること、そして当日も登山ルートや所要時間を都度確認することにより、安心で安全な登山を楽しんでください。

(注)本記事掲載の地図画像については、その掲載につき、昭文社および山と渓谷社より承諾を得ております。

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