【蝶ヶ岳】眼前に迫る槍・穂高を眺めることのできる “特等席” を目指す秋の山旅

登山

今回は、10月初旬に北アルプスの代表的な山の一つである蝶ヶ岳を訪れ、山頂に立つ蝶ヶ岳ヒュッテに1泊する秋の山旅をご案内します。

【2018年10月7日~8日(1泊2日の山小屋泊)】地元の山仲間と3人で

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蝶ヶ岳について

蝶ヶ岳は、北アルプスの南部に位置する標高2,677mの山です。雪解け時期の6月頃に、稜線近くに蝶に似た雪形がみられることが名前の由来になっています。

北アルプスの山々の中でも、地理的に上高地から比較的近く、険しい箇所もないことから、初心者も含め人気の山の一つとなっています。

また、山頂からは西側に穂高連峰の山々が一望でき、さらに、山頂から少し北に位置する蝶槍に立てば、眼前に槍ヶ岳を眺めることのできる絶好の展望地といえるでしょう。

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登山コースの紹介

今回の山旅は、上高地を出発して登山口のある徳沢から登り始めて頂上へ、その日は山頂部に立つ蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊、翌日は蝶槍に寄ってから横尾に下山し、上高地まで戻るルートとなります。

上高地から登山口のある徳沢へ

マイカーを沢渡に駐車してバスで上高地バスターミナルへ移動。身支度を整えて出発です。
天気はまずまず上々、山頂での大パノラマを期待して歩き始めます。

今回の山旅は10月初旬で、夏場のハイシーズンでもないからか河童橋も比較的空いてます。紅葉で有名な涸沢も最盛期を過ぎていると思いますが、上高地あたりはまだ紅葉が楽しめる状況です。

明神まで行く道の左手には明神岳が出迎えてくれ、これからの登山に期待が高まります。

明神岳がお出迎え

明神でひと休憩したのち、上高地から2時間足らずで徳沢に到着しました。
徳澤園にて名物のカレーで英気を養い、いよいよ蝶ヶ岳に向けた登山の開始です。

登山口は徳澤園の裏手から

急登を制し蝶ヶ岳の頂へ

徳澤園の裏手にある登山口からスタートします。最初から樹林帯の中の急坂を登り続けます。ずっと展望がないため、ひたすら黙々と頂上を目指して歩きを進めます。我慢の時間帯ですね。

3時間半ほど登ると、やっとのことで長塀山(ながかべやま)に着きました。

長塀山の標識前で記念撮影

ここまでで標高差もかなり稼ぎ、距離的にも7割ぐらいまで来ているので、もう少しというところですね。

長塀山からは少し下り、登山道を進むと左手に池が現れました。サンショウウオが棲んでいるとか。

池を横目にさらに進む

だんだんと展望が開け、ハイマツ帯まで来ると、なだらかな山頂部まではあと一息です。

ハイマツ帯を歩く

山頂直下まで来ると一気に展望が広がり、開放感が広がります。

一気に展望が開ける

この日は午後からガスが上がってきたので、全展望というわけにはいきませんでしたが、それでも北アルプスの山並みが見て取れ、ここまで頑張って登ってきた努力が報われます。

そして、ついに2,677mの蝶ヶ岳の頂上にたどり着き、ここで記念撮影。

蝶ヶ岳山頂にて

風も強いので、足早に宿泊先の蝶ヶ岳ヒュッテに向かい、まずはチェックイン。

お世話になる蝶ヶ岳ヒュッテ

荷物を置いて再びヒュッテ前からの展望を楽しみます。

雲がだいぶ上がってきて、穂高連峰は見えないものの、槍ヶ岳は穂先が顔を出し、また、北側には蝶槍から常念岳に続く稜線が見て取れます。

常念岳に至る稜線
槍の穂先が!

全方位パノラマは明日に期待しましょう。

美しきご来光

蝶ヶ岳でヒュッテは、おいしい夕食や同行者との語らいで楽しく過ごしましたが、とくかく寒い。やはり3,000m近い高所なので、10月ともなると小屋内でもかなり冷え込みます。防寒具として、ダウンやフリースは必須アイテムですね。

蝶ヶ岳ヒュッテの夕食

翌朝は日の出を拝むため早朝に起床。防寒具を着込んで小屋前の高台からその時を待ちます。
眼下は一面の雲海で埋め尽くされ、迫力ある「滝雲」も見られます。

眼下に広がる雲海
迫力ある滝雲

雲海の向こうが次第にオレンジ色に染まりだすと、やがて東の空から太陽が昇ってきました。いつ見ても山頂からの日の出は神々しく美しいものですね。

神々しい日の出

そして、反対の西側に目を向けると、見事なモルゲンロートです。

山肌を染めるモルゲンロート

赤く染まった山肌がくっきりと映し出された光景は迫力満点です。

槍ヶ岳も赤く染まる

今日は朝から快晴で、念願の大パノラマを見ることができました。

目の前には、穂高連峰から槍ヶ岳、そしてその先も続く北アルプスの山々がくっきりと映っています。南側には乗鞍岳、そしてその先の御嶽山の山容もはっきりと確認できます。

乗鞍岳とその奥に御嶽山
赤く染まる山々
蝶槍から常念岳に至る稜線

蝶ヶ岳が、北アルプスの山々を眺める特等席だというのがよくわかります。

蝶槍に寄ってから横尾に下山

早朝の大展望を楽しんだ後、小屋で朝食をいただいてから出発します。

蝶槍に向かう

出発して20分ほど下ると、横尾へ下る下山路との分岐に着きますが、ここを直進して蝶槍方面に向かいます。

横尾分岐を直進

なだらかな道をのんびり歩き、最後少し登り返すと、分岐から20分ほどで蝶槍に到着。
蝶槍は蝶ヶ岳から続く稜線上にちょこんと突き出た小ピークです。

今日は雲一つない快晴なので、とにかく槍ヶ岳から穂高連峰までが一望できます。

槍ヶ岳方面の展望

槍ヶ岳から視線を移すと、大キレットと北穂高岳、その先涸沢から奥穂高岳に至る山並み、そして槍沢やいくつもの沢筋、またザイテングラートもはっきり見えます。

槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳

これだけの山並みを一直線にはっきりとみられるスポットはなかなかないですよね。

常念岳方面
蝶ヶ岳を振り返る

今回は晴天に恵まれ、大パノラマを満喫することができて本当にラッキーでした。
最後に各所のアップ画像を一部紹介します。

槍沢と槍ヶ岳
大キレットと北穂高岳
涸沢とザイテングラート、そして奥穂高岳

名残惜しいですが、目の前の光景を目に焼き付けて蝶槍を後にします。

先ほど通った横尾分岐から下山を開始。下山もかなりの急坂なので、慎重に下りましょう。
途中にある槍見台で槍ヶ岳に最後のお別れをして横尾に下りてきました。

槍見台で槍ともお別れ
横尾山荘前で休憩

ここから上高地までは約3時間の道のりですが、途中の明神で川を対岸に渡り、岳沢湿原を通って帰るコースがおすすめです。


なお、以前にNHKのテレビ番組「百名山スペシャル『“山女”憧れの頂へ』」で、女優の工藤夕貴、作家の湊かなえと萩原編集長が一緒に蝶ヶ岳を登り、美しい展望が紹介されていたのを記憶しています(番組では、横尾からの登りでした)。

※NHKの過去放送番組もU-NEXTで視聴することができます。この機会に是非どうぞ!!

登山ルートと所要時間

【1日目】上高地バスセンター…河童橋…明神…徳沢…長塀山…蝶ヶ岳山頂(約6時間30分)
【2日目】蝶ヶ岳山頂…横尾分岐…蝶槍…横尾分岐…横尾…徳沢…明神…岳沢湿原…河童橋…上高地バスセンター(約7時間)
※上記時間には休憩時間は含まれていません。

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