奥多摩の深くに位置し、東京都と埼玉県および山梨県にまたがる雲取山。標高2,017mと、東京都では一番高い山となっています。山頂までの距離は長いため日帰りは一般的ではなく、山小屋泊でゆっくりと山歩きを楽しむことをお勧めします。
【my山行日:2017年5月12日~13日(山小屋泊)】地元の山仲間と3人で
登山コースの紹介
今回ご案内するコースは、奥多摩駅を起点として、バスで登山口のある鴨沢に移動し、片道6時間近くをかけて山頂に至り、山頂近くの山小屋に宿泊、翌日同じコースをたどって下山するコースです。
登山口のある鴨沢へ
東京都心からは、中央線・青梅線を経由して終点の奥多摩駅へ。駅前から発車する鴨沢西行きの西東京バスにて登山口に向かいます。
奥多摩湖沿いの道を奥へと進む中、小河内神社バス停近くからは、浮橋を見ることができます。
奥多摩駅からおよそ40分で登山口のある鴨沢バス停に到着しました。
身支度を整えて山頂に向けて出発しましょう。
長い樹林帯を歩く
バス停脇の階段からスタート。しばらく樹林帯を進むと、鴨沢から一段上に位置した駐車場に出ます。マイカーで来る方は、この小袖乗越にある駐車場(丹波山村営の無料駐車場)に停めるのがよいでしょう。ここから車道沿いに歩いていると、左手にいよいよ雲取山への登山口が現れます。
登山口からは樹林帯の中を長い間歩くことになります。急坂はなく歩きやすい山道ですが、距離が長いだけに森林浴を楽しむ気持ちで、気長に歩きを進めましょう。
登り続けること2時間弱で「堂所」というポイントに到着します。標識があるだけで展望もありませんが、休憩場所としましょう。
休憩後、再スタート。ここからは少し斜度が増しますが、登り続けること40分ほどで七ツ石山の手前にある七ツ石小屋が見えてきました。小屋までの坂は少々急ですが、登り切ると小屋での休憩が待っています。
小屋に入ると、登山客は我々だけでした。話を伺うと、この小屋の所有は村のようですが、ご夫婦が委託を受けて管理・運営をされているとのこと。ここでしばらく休憩し昼食をとることとします。鴨沢から同じバスで来た女性の2人連れが到着したので言葉を交わしました。
石尾根を伝い小雲取山へ
七ツ石小屋を出て七ツ石山の山頂を巻くと、ブナ坂に出ます。ブナ坂からは、七ツ石山の山頂を経て鷹ノ巣山方面に向かう道との合流点です。
進路を雲取山方面に取り、ここからは石尾根沿いに気持ちの良い稜線歩きを楽しみます。特に西側の景色が開け、爽快感が広がっています。
そして、この登山道沿いで出くわすのが、有名な「ダンシング・ツリー」です。幹がS字状に曲がったその木は、遠くからでも一瞬で目を引きますね。なんともユニークな、そして風雨に耐えたと思われる力強さも感じることができます。
さらに、穏やかな尾根道を進み、ヘリポートや今は廃業となった雲取奥多摩小屋を過ぎてから、その先にある少し急なジグザグ道を登りきると、小雲取山の山頂となります。
木に「小雲取山」と書かれた札が括り付けられているばかりで山頂標識が見当たりませんが、実は藪の中の奥まったところに、ひっそりと手書きの標識が立っていました。
ここまで来れば雲取山の山頂まではもう少し。山頂近くに立つ避難小屋が見えればあと一息です。
登頂後に雲取山荘へ
最後の登り坂を登り切れば避難小屋に到着。すぐ近くに山梨県側の山頂標識が立っています。
そして一足伸ばせば、標高2,017mの東京都側の雲取山山頂にたどり着きます。
この日はあいにくの曇り空で絶景は拝めませんでしたが、天気が良ければ富士山や奥多摩の山々のパノラマを楽しむことができます。
しばらくして、七ツ石小屋にいた女性2人組も到着して、お互い写真を取り合うことに。
歩く距離は長くて結構大変ですが、都心から近いにもかかわらず2,000mを越える頂に立つことができることが、人気となっている理由でしょう。
登頂の満足感に浸ったら、今晩の宿となる雲取山荘に向かいます。森の中を結構下り、20分ほど歩くと雲取山荘につきました。
当日は金曜で明日が雨予報のせいか、宿泊者は50名程度と少なかったこともあり、3人で個室に泊まることができました。
それと、この時の山行は、雲取山の標高の2,017mにちなんで2017年にしたわけですが、山小屋から標高年の記念バッジをいただくことができてラッキーでした。
雨中の下山
翌日は朝から雨模様。これから次第に雨脚が強まるとの情報を得て、早朝5時半には下山開始。山小屋のご主人によれば、山荘から雲取山の山頂を巻く道は、この雨で崩落している可能性があるので避けたほうが良いとのアドバイス。
山頂に登り返してからは、ひたすら下るのみです。小雲取山の巻き道を通り、足元に注意しながら、急ぎ目に足を進めます。結構本格的な雨降りとなってしまいましたが、雨中の山道歩きは初めてなので、結果としては良い経験となりました。
ひたすら下ること4時間で鴨沢まで戻ってきました。
バス停脇の水道で靴の泥を落とした後は、汗を流しに温泉に向かいます。バスで奥多摩駅に引き返し、歩いて近くの「もえぎの湯」に立ち寄りました。
天然温泉で、泉質もつるつる感あり。気持ちの良い入浴後、休憩室で「成果報告会」を実施。ビールがとてもうまい! 名物の「根っ辛そば」も食しました。ほろよい気分で帰りの車中の人となり、今回の山旅を終えました。
この度の雲取山登山では、山頂での展望は曇り空によりいまひとつでしたが、十分満足できる山旅となりましたし、雨中での歩行により、経験値をあげる貴重な体験をすることができました。
登山ルートと所要時間
アクセス:JR青梅線・奥多摩駅から西東京バスで鴨沢バス停まで約40分
所要時間:(1日目)鴨沢バス停・・堂所・・七ツ石小屋・・小雲取山・・雲取山山頂・・雲取山荘(約5時間45分)
(2日目)雲取山荘・・雲取山山頂・・小雲取山・・堂所・・鴨沢バス停(約4時間20分)
※上記時間には休憩時間は含まれていません。