奥秩父の深い場所に位置する金峰山ですが、今回ご案内する大弛峠からの登山であれば、2,500mを超える高山に往復4時間半ほどでの日帰り旅が可能です。特段の技術を要する難所もなく高山域に到達できるので、初心者にとってもおすすめのコースといえるでしょう。
【my山行日:2018年6月8日】地元の山仲間と3人で
金峰山について
金峰山(きんぷさん)は、山梨県と長野県の県境に位置する標高2,599mの日本百名山です。長野県側では「きんぽうさん」と呼ばれているようです。山頂へ至るルートとして、瑞牆山方面からのコースもありますが、大弛峠から登るのが最短ルートです。山頂部には、金峰山のシンボルといえる、金峰山信仰のご神体だった五丈岩がどんと構えています。山頂部からは、富士山をはじめ、八ヶ岳や南アルプス、さらには北アルプスの山々など、360°のパノラマを楽しむことができます。
登山コースの紹介
今回は平日に休暇を取ってのマイカー旅です。登山口のある大弛峠まで車で行き、そこから朝日岳を経由して金峰山までを往復する日帰りコースをご案内します。
登山口の大弛峠へ
中央自動車道の勝沼ICから一般道で長い山道を走ること約1時間半で、登山口のある大弛峠に到着。
ここ大弛峠は、車道峠としては日本一高地にある峠のようです。標高はすでに2,365mに達しているので、金峰山山頂までは、アップダウンはあるものの、標高差は250mにも満たないことになります。
まずは朝日岳を目指す
この年は2日前に梅雨入りしたばかりですが、“晴れ男” の本領発揮で、今日は朝からとても天気が良く、心弾ませながらの登山開始です。
まずは朝日峠を経由して、標高2,579mの朝日岳に向かいます。
スタート当初は森の中の緩やかな道を進みますが、しばらくすると山道は急登となります。登りつめて行くに従い、木々の間から富士山の姿を垣間見ることができます。
その後アップダウンを繰り返し樹林帯を抜けて足元が露岩の場所に出ると、視界が一気に開けて、広い裾野と、その先には富士山も映り込みます。
突然視界が開けるので、その爽快感は格別ですね。
この露岩部をさらに登り詰めて、立ち枯れた木々の間を抜けると朝日岳に着きました。ちょっとした休憩スペースもありますし、富士山もくっきり見えますので、しばし休憩です。
朝日岳山頂を出発して下りに差し掛かかる場所に立つと、視線の先には金峰山の山頂と、山頂部にそびえる五丈岩をはっきりと捉えることができました。
ジグザグ状になった急な下り坂は足元が滑りやすいので、慎重に下り進めましょう。さらに下り続けると穏やかな森の中の道となりますが、ここから山頂部に向けての登り返しです。
ひたすら登り続けると、やっとのことで金峰山の山頂部からの稜線に出ます。ここが賽ノ河原です。稜線上に立つと、辺りはハイマツ帯となり、一気に高山の様相となります。
さらに視界も開け、北側にはすぐ先に瑞牆山、そして背後に連なる奥秩父の山々の景色が広がるので、テンションがあがること間違いありません。
瑞牆山の特徴的な岩峰が手に取るようにわかります。
山頂の五丈岩へ
ここまで来れば山頂まではもう一息。稜線上の登山道の先は金峰山の山頂部です。
いよいよ山頂に近づくと、足元は大きな岩となり、歩きづらい個所もありますが、やがて山頂標識の立つピークに達します。背後には八ヶ岳連峰が構えています。
最高地点の場所は狭いので記念撮影のみとして、その先の五丈岩を目指します。そしていよいよ、少し先の比較的広いスペースに出ると、目の前に大きな五丈岩がそびえています。
金峰山のシンボルだけあって存在感がありますね。岩のてっぺんまで登っている人もいました。
周りを見渡すと360°の景観が広がっていて、大パノラマを満喫することができます。
南側に視線を移すと富士山もきれいに映っています。
五丈岩の裏側に回ってみると、そびえたつ大岩の様子がよくわかりますね。
山頂エリアでは美しい景色を見ながらランチタイムとするのが良いでしょう。
たっぷりと景色を堪能したら、同じ道を引き返して大弛峠まで下山します。
下山後は、勝沼ICまでの道中にある「花かげの湯」で汗を流してはいかがでしょうか。
登山ルートと所要時間
アクセス:中央自動車道・勝沼ICより国道・県道を経て大弛峠まで約1時間30分
所要時間:大弛峠・・・朝日岳・・・賽ノ河原・・・金峰山山頂(約2時間30分)
金峰山山頂・・・賽ノ河原・・・朝日岳・・・大弛峠(約2時間)
※上記時間には休憩時間は含まれていません。