【my山行日①:2014年4月27日】単独
【my山行日②:2016年11月6日】地元の仲間3人で
丹沢エリアで、大山や鍋割山を経験したら、次はぜひとも表尾根の縦走にチャレンジしましょう。
距離が長いことに加え、途中で鎖場も体験できるので、初級者から中級者へステップアップを図るための “登竜門” ともいえるコースです。
今回の記事では、この丹沢表尾根縦走コースの魅力を余すことなくお伝えしたいと思います。
丹沢表尾根とは
丹沢表尾根とは、ヤビツ峠先の登山口から、二ノ塔、三ノ塔を経由して塔ノ岳に至る尾根です。
表尾根を経由して塔ノ岳から大倉尾根を下山する大倉までのコースは「丹沢表尾根縦走路」と呼ばれていて、丹沢エリアで人気の高いコースとなっています。
コースの途中からは富士山が望める気持ちの良い山歩きが楽しめますが、鎖場などもあることから、アルプスへ挑む前の格好の足慣らし場とも言えます。
距離も比較的長いので、体力に応じて、三ノ塔から、あるいは行者ヶ岳先の政次郎尾根から下山することも可能です。
表尾根縦走は十分日帰りで楽しむことができますが、塔ノ岳山頂の山小屋に泊まってゆっくりと歩いてみるのもよいでしょう。
丹沢表尾根縦走路の紹介
今回は、前記のように、ヤビツ峠をスタート地点として、二ノ塔、三ノ塔などを経由して塔ノ岳に至り、その後大倉尾根をつたって大倉バス停に下山するコースをご案内します。
秦野駅から登山口まで
小田急の秦野駅北口を降りてヤビツ峠行きのバス乗り場に向かいます(4番のりば)。
休日ともなると、バスを待つ大勢の登山客が長い列を作っています。
こんなに人がいてバスに乗れるのだろうか、と心配になりますが、心配ご無用。
係員の人が乗客の人数を確認して、増便対応しています。
ただし、座れる確率は少ないですけどね。
バスは市街地を抜けて、蓑毛を過ぎると山道となり、カーブ道に揺られながら高度を上げていきます。およそ50分で終点のヤビツ峠に着きます。
ヤビツ峠バス停前にはトイレもあるので、用を足して準備運動を入念に行ってから登山のスタートです。
はじめは車道沿いに30分ほど歩きますが、これも丁度よい準備運動になります。
車道から左に入る脇道があり、まもなく右手に登山口が現れますので、ここから山登りの開始です。
登山口~二ノ塔~三ノ塔
登山口から樹林帯の山道を少しずつ高度を上げて登っていきます。
すぐに一旦車道にでますが、道標に従い再び山道へ。
40分ほど登ると林が切れて、振り返ると大山の雄姿がくっきりと見えます。
さらに10分ほどで最初のポイントでもある二ノ塔に到着。
二ノ塔は展望がないので、少し休憩したら三ノ塔に向けて出発。
二ノ塔から15分ほどで、展望の開けた三ノ塔に着きます。
三ノ塔では視界が一気に開けて、富士山を望む大展望が待っています。
絶好の撮影スポットなので、写真を撮るなどしてしばらく休憩しましょう。
この三ノ塔まででも表尾根を登ってきた甲斐があると実感するでしょう。
さらに、塔ノ岳まで至る縦走路が一望できますが、塔ノ岳の山頂がまだはるか先に見えます。
この先一旦烏尾山までかなり高度を下げ、そこから登り返して塔ノ岳まで至るルートが手に取るようにわかります。
行者ヶ岳を経て塔ノ岳へ
三ノ塔を出発すると烏尾山まで急な坂を下ることになります。
ザレた階段状の下り坂が続きますので、滑らないよう足元に注意が必要です。
烏尾山からは再び登りがはじまります。
しばらくは日当たりの良い尾根道が続き、烏尾山からおよそ30分で行者ヶ岳に到着。
ここからがこのルートの核心部になります。
というのも、この先に緊張する鎖場が待っているからです。
いずれの鎖場も下りなので、足元をしっかり確かめながら慎重に降りてください。
最初の鎖場は5mほどですが、2番目は15mほどあります。
休日ともなると、鎖場を通過するために渋滞が発生して長い時間待たされることに。
はじめての方には緊張感を強いられることになりますが、足場を確認しながらゆっくりと慎重に下りれば特に問題はありませんので、安心してチャレンジしてください。
鎖場の先は両側が崩れている崩壊地となっています。
ロープが張られていて安全に通過できますが、気を付けて歩いてください。
やがて左手に展望が開けて、しばらく進むと、塔ノ岳山頂までの最後の休憩ポイントとなる新大日に到着です。
さて、いよいよ登りの最終局面です。
岩まじりの急登を登りきると、1,491mの塔ノ岳の頂にたどり着きます。
山頂では、西に富士山を望む絶景、南にはこれから下る大倉尾根、そして東には今日登ってきた表尾根の稜線が見渡せる大パノラマが待っていることでしょう。
山頂エリアは広くなっていて、大勢の登山客が絶景をおかずに食事を楽しんでいます。
ヤビツ峠からの縦走路を思いながら、ゆっくりとランチを味わってください。
山頂に立つ「尊仏山荘」でコーヒーをいただくのも一興です。
大倉尾根を下る
塔ノ岳山頂でたっぷりと時間を過ごしたら、そろそろ下山の開始です。
下りといっても、これから下る大倉尾根は別名 “バカ尾根” とよばれるほど、7kmにもおよぶ長いコースなので、登りは当然大変ですが、下りもバカにはできません。
途中の堀山の家までは急な坂が続きますので、足元に注意しながら下りましょう。
堀山の家を過ぎると斜度も緩まり、ところどころ平坦な道もあります。
途中に設置されたベンチで休みながらゴールを目指してください。
観音茶屋を過ぎるとゴールは目前。ゲートを通過して舗装路を進むと終点の大倉バス停に到着です。
13km超にもおよぶ長い縦走路を走破した満足感を得て、次の山を見据えて思いを馳せる瞬間ですね。
登山ルートと所要時間
アクセス:小田急線秦野駅~ヤビツ峠(神奈川中央交通バスで50分)
大倉バス停~渋沢駅(神奈川中央交通バスで15分)
所要時間:ヤビツ峠バス停・・・登山口・・・二ノ塔・・・三ノ塔(約1時間40分)
三の塔・・・烏尾山・・・行者ヶ岳・・・新大日・・・塔ノ岳(約3時間)
塔ノ岳・・・堀山の家・・・見晴茶屋・・・大倉バス停(約2時間20分)
※縦走路全コースの所要時間は約7時間20分
※上記時間には休憩時間は含まれていません。
※登山ルートの地図は、山と渓谷社の承諾を得て使用しています。
☞ヤマケイオンラインのサイトへ