「青森鉄道旅」最終日の目的は、津軽鉄道の「ストーブ列車」です。
ストーブ列車は、津軽鉄道の冬の代名詞でもあり、一度は乗ってみたかったんですよね。
最終日は津軽鉄道に乗車したのち、秋田経由で東京に戻る計画です。
津軽鉄道について
津軽鉄道は、津軽五所川原~津軽中里間20.7kmの津軽鉄道線を運営しています。
主力車両は津軽21形という気動車で、沿線出身の太宰治にちなんで「走れメロス」号の愛称が付けられています。
他にディーゼル機関車や客車を保有していますが、津軽鉄道の代表的な観光列車である「ストーブ列車」は旧型の客車で運用されています。
ストーブ列車は、毎年12月1日から翌年3月31日まで運行され、客車にだるまストーブをつけて暖房として、ストーブの上でするめを焼くサービスが乗客に人気となっています。
なお、ストーブ列車に乗車するためには、別途500円の料金が必要です(令和2年12月1日から、400円→500円に料金改定)。
途中の金木駅には、太宰治記念館「斜陽館」や津軽三味線会館などの観光施設があります。
津軽鉄道乗車記
弘前駅で「リゾートしらかみ2号」(青池編成)に乗車し五所川原へ向かう。


リゾートしらかみ号は、青森を出発して一旦弘前まで来て乗客を拾い、川部まで引き返し、そこから五能線に入ります。弘前から川部までの区間は進行が逆向きになりますのでご注意。
普通車両の指定席は取っておいたはいいが、山側の窓席(D席)にすべきでした。
五能線は日本海の海岸線に沿って走るため、海側のA席に座るのが醍醐味ですが、五所川原までは海はなく、むしろ岩木山を望めるD席がお得です。
案の定、今日は晴れ渡った空をバックに、悠然とした岩木山を車窓から楽しめます。
D席は空いていなかったので、車端のドア窓からその雄姿を写真に収めました。

40分ほどで津軽鉄道の乗換駅である五所川原駅に到着しましたが、降車後にひと勝負。
というのも、多くの乗り換え客に先んじて、津軽鉄道のストーブ列車の特等席であるストーブ周りの席を確保するためです。
リゾートしらかみ号のドアが開くや否や、ホームをダッシュして一目散に津軽鉄道の乗り場へ。
おかげで先客こそあったものの、ストーブ脇の席に陣取ることができました。

隣の窓席にすでに座っていたお婆さんは、日本酒を片手にすでに一杯やってます。
乗務員の女性が名物の「するめ」を売りに来ると、お婆さんはすかさず買って乗務員さんに焼いてもらいます。

焼きあがったするめを渡されると、
「一人では食べきれないので、よかったらどうぞ」
とおすそ分けしてくれました。ありがたく感謝していただく。
多くの乗客は観光地でもある金木駅まで行くのでしょうが、私は観光目的ではないので、金木駅のひとつ前の嘉瀬駅で下車。ここでの下車は私一人。ぽつんとした無人駅です。
構内の引き込み線に、元SMAPの香取慎吾さんが地元の小学生たちと絵を描いた「キャンバス列車」が保管されていました。


駅舎を出ると、駅前には人の姿が見当たりません。

ローカル線旅において、何気ない駅で下車して、特に何もないけど、どこか郷愁を誘う風景を見ると心安らぐものです。

わずか10分あまりの滞在で上り電車の「走れメロス」に乗り込み、津軽五所川原駅に10:26に到着。
五所川原から秋田へ

時間的にはちょっと早いですが、昼食にと決めていた「マルコーセンター」へ歩いて向かう。
「マルコーセンター」の名物は、好きな海鮮食材を盛って食べる「のへ丼」で、同じく有名な青森魚菜センターや八食センターの「のっけ丼」よりもお値打ちなのが魅力です。
10分ほどで目的地についたものの、本日は休業の様子 (*_*)
事前に調べてきて、営業しているはずなんだけど・・・調べが甘かった、トホホ。
どうやらこの日曜日は定休日のようでした。
しかたなく諦め、となりにある「立佞武多の館」に立ち寄る。
青森の人形型の「ねぶた」に対して、弘前では扇型の「ねぷた」、そしてここ五所川原では縦に大きい形の「たちねぷた(立佞武多)」とそれぞれ個性があります。
展示室には入場せず、ここでもまたお土産を物色。地元十三湖産の「しじみの真空パック」をお買い上げ。
駅に戻り、弘前へ向かうべくホームで待っていると、やってきたのはキハ40系3連 (^o^)
五能線色のキハ48形が2両と首都圏色のキハ40形の計3両編成です。

この旅初めてのキハ40系との遭遇で心躍ります。
先頭車であるキハ48形のクロスシートに座り、心地よいディーゼルエンジン音を聞きながら、弘前まで50分たらずの乗車を楽しみました。



弘前まで戻り、軽い昼食を済ませ向かったのは、初日に訪れた大鰐温泉です。
お土産にあの「大鰐温泉もやし」を買うためです。
12:48発の654Mで大鰐温泉に12:55着。
次の列車まであまり時間がないので、急ぎ足で駅前の「鰐come」へ。
生の大鰐温泉もやしは既に売り切れでしたが、「大鰐温泉もやし 御ひたし」をお土産に購入。
慌ただしく駅に戻り、秋田行の「つがる4号」に乗車、約2時間の乗車で終点の秋田駅に到着。
秋田駅で新幹線への乗り換えまでの時間、駅構内の土産品店で、妻の好きな秋田の名酒「雪の茅舎」を買った後、16:12発の「こまち32号」にて帰路の人となりました。
これにて3日間の青森鉄道旅は終わりを迎えます。
旅行中、弘南鉄道、津軽鉄道、そして五能線のキハ40系など変化に富んだ鉄道に触れることができ、大変満足な鉄旅となりました。
「青森鉄道旅~3日目」(完)