【天狗岳~前編】初心者レベルからの卒業を実感できる美しき双耳峰

登山

八ヶ岳エリアで次に目指すのは北八ヶ岳にある天狗岳です。北横岳と違ってロープウェイはないので、2,500mを超える山頂まで自力で登ることになります。

山頂までたどり着いて見る景色は、これまで登ってきた山とは一味違い、“初めての感動” を与えてくれるでしょう。
今回は撮影した写真も多く掲載したいので、前編・後編に分けて天狗岳の魅力を紹介します。

【my山行日:2014年9月14日】単独

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「八ヶ岳トレッキングサポートBOOK 2014」を見て

八ヶ岳において北横岳に次いで天狗岳を選んだのは、八ヶ岳の他の山に比べて難易度が高くないこともありましたが、なんといっても当時購入した「八ヶ岳トレッキングサポートBOOK 2014」に掲載されていた天狗岳の写真に心奪われたからです。

「八ヶ岳トレッキングサポートBOOK 2014」

白砂の広い稜線と、その先にある東天狗・西天狗の美しい山容。
この写真を見たら、もう行かない訳にはいかないという衝動にかられ、当時はまだ小屋泊の経験はなかったので、車中泊による日帰り登山を強行したのでした。

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天狗岳について

天狗岳は北八ヶ岳に属しますが、位置的には南八ヶ岳との境界に近くにあります。

東天狗西天狗の双耳を有していて、三角点は標高2,646mの西天狗になっていて北八ヶ岳の最高峰でもあります。
双耳峰といっても、その距離は300mほど離れていて、その間20分ほど歩くことになります。

手前の白砂新道入口あたりから見上げる天狗岳の山容は美しく、登山者の心を惹きつけます。
北八ヶ岳は岩稜帯の南八ヶ岳と違い、なだらかな深い森を擁した山というイメージがありますが、天狗岳は東天狗・西天狗ともに山頂部は険しい岩場になっています。

また、山頂からは北には裾野の広い北八ヶ岳の深い森が、南には硫黄岳、横岳、そして赤岳に至る主稜線が一望でき、その素晴らしい景色に心躍ることでしょう。

登山コースの紹介(前編)

天狗岳に至るルートとしては、唐沢鉱泉や渋ノ湯から、あるいは南・北八ヶ岳の稜線上からなど複数の選択肢がありますが、今回は桜平登山口から日帰りにて往復するルートをご案内します。

桜平登山口から登山スタート

桜平登山口に行くバス便はないため、マイカーかタクシーにて桜平登山口駐車場に向かいます。
私は9月の日曜日にマイカーで行くことにしましたが、駐車場の混雑が予想されたので、前日の夜に出発。中央道のパーキングエリアで仮眠をしてから、夜中の3時過ぎに出発し、4時半頃には着いたのですが、登山口近くの駐車場はすでに満車でした。やむなく林道の少しスペースのある路肩に止めるはめに。

ただし、その後登山口から下った位置に2か所の新たな駐車場ができましたので、道端に止めることまではないと思いますが、ピーク時はどうでしょうか。
なので、3~4人で行く場合は、タクシー利用も選択肢として考えたほうが良いでしょう。

桜平登山口

さて、駐車場に車を止めたら、登山口で準備運動をしてからスタート(私の場合は明るくなりだした6時にスタートしました)。登山口から少し先にトイレもあるので、用も済ませてと。

最初からそこそこ斜度のある坂道を登っていきますので、マイペースで進みましょう。
ここらはまだ道幅も広く、のんびりと歩くことができます。
次第に森の中へと入りこんでいき、スタートから30分で最初のチェックポイントである夏沢鉱泉に到着します。

夏沢鉱泉で休憩

一服したら出発しますが、ここからが本格的な山道になります。しばらくすると深い森の中に入り込み、渓流沿いに高度を上げていくことになります。

渓流とともに高度を上げる

夏沢鉱泉からおよそ50分の歩きでオーレン小屋に到着します。

オーレン小屋の入口

このオーレン小屋は、南・北八ヶ岳を結ぶ要衝でもあり、多くの登山者でにぎわっていることでしょう。屋外にテーブルやベンチもありますので、天狗岳までの中継地点として休憩に寄りましょう。

オーレン小屋から根石岳に至る

しばらく休憩したら、身支度を整えて再スタートです。

オーレン小屋からは道が三方に分かれていて、右は赤岩の頭を経て硫黄岳へ、真ん中は稜線上のヒュッテ夏沢へと続きますが、天狗岳方面へは左の道を取ります。

オーレン小屋から標高差約300mを約50分かけて登りきると、箕冠山みかぶりやま山頂にたどり着きます。
山頂は展望がなく、周りを森で囲まれている場所なので、そのままスルー。

ここから根石岳山荘のある場所まで下ることになりますが、その途中に最初の絶景スポットがあります。
箕冠山山頂から少し下った左手に脇に入る場所があり、そこを分け入ると視界が開けて・・・
根石岳から天狗岳を望む景色に目を奪われます。
それに、登山を始めてから、これまで登ってきた山とはスケール感の違いを感じます。

箕冠山山頂直下からの眺望

人間というのは贅沢で、一度感動を覚えると、次回に同じ経験をしても最初と同じ感動を味わうことはありません。登山もだんだんとステップを上げていくにつれ、感動するレベルも上がってしまうため、最初に味わった感動は大切なものです。
そういう意味で、私にとって、“第一段階の感動” といえるのは、まさにこの景色であり、さらにこのあと目の当たりにする天狗岳の美しい山容でした。

景色を見て満足したら、いったん根石岳山荘のある鞍部までくだります。
後日、この根石岳山荘に泊まることになりますが、その山行については別記事で紹介します。
今回は根石岳山荘を横目に通過し、根石岳の山頂を目指します。

ごつごつした岩場の道を登りきると根石岳山頂に到着。

根石岳の山頂標識

ここからは、東天狗・西天狗を擁する天狗岳の全容をより近くに望むことができます。
さらに振り返れば、赤岳や阿弥陀岳など南八ヶ岳の山並みがそびえています。

根石岳山頂から天狗岳を望む
根石岳山頂から南八ヶ岳を振り返る

それでは、いよいよ天狗岳の山頂を目指しましょう。
根石岳から下り、小ピークを巻いてたどり着くのが白砂新道入口です。
この場所こそが、先の「八ヶ岳トレッキングサポートBOOK」の写真で見た光景そのものです。
感動を覚えながら、しばしこの美しき光景に見入っていました。

白砂新道入口から見上げる(左から)西天狗と東天狗

ここから東天狗、そして西天狗への頂へ至る道のりは「天狗岳~後編」に続きます。

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