日本のインターネット(オンライン)証券会社では最も口座数の多いSBI証券。これから株式投資を始めようとしている方には、安心感のある証券会社といえます。
今回の記事では、株式投資を始めるにあたり、SBI証券の口座開設から、株式投資の実際について、わかりやすく解説します。
SBI証券について
証券会社には、従来からある店舗型の会社と、証券会社の社員と接触することなく、ネット上で取引を行う会社、あるいは双方の機能を備えた会社の形態があります。
ネット証券会社のない時代は、株式の売買にあたっては、実店舗で行うか、セールルマンと電話でやり取りを行っていましたが、今日においては、ネットでの取引がメインとなり、個人投資家の大半がネット証券会社に口座を開設しているものと思われます。
そんなネット証券会社の中でも、口座開設数が最も多く、ネット取引の実績に裏打ちされた安心感・信頼感が得られるのがSBI証券といえます。
なお、対面での取引や相談が行える「マネープラザ」という実店舗も全国に設置しています。
SBI証券をオススメする理由
やはり多くの方が利用し、定評があることが第一でしょう。実際、私も一番最初に口座を開設したのもSBI証券でした。それでは、具体的なメリットについてご案内したいと思います。
手数料が安い(主要ネット証券最安)
最近、ネット証券会社の間で、取引手数料の価格競争が激しくなっていますが、その中でも、SBI証券はネット証券会社の最大手として、その安さを徹底追及しています。
国内株式の現物取引は、1注文の約定代金に対して手数料がかかるプラン(SBI証券では「スタンダードプラン」)において、主要ネット証券では楽天証券と並んで最安値となっています。
また、1日の約定代金の合計額に応じて手数料がかかるプラン(SBI証券では「アクティブプラン」)では、100万円まで0円です。
取引商品がとても豊富
取扱商品としては、国内株式のほか、米国や中国・韓国などの外国株、投資信託、FX(外国為替保証金取引)、先物・オプション、さらには金・銀・プラチナや各種保険も扱っていて、ほぼすべての金融商品の取引ができます。
もちろん、制度としてのiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(つみたてNISA、ジュニアNISA含む)も利用可能です。
単元未満株(S株)の活用
また、ミニ株という単元未満株(S株)も用意されていて、通常100株単位でしか買えない株式が1株からの取り引きが可能なので、少額からの取引が可能となります。たとえば株価10,000円する銘柄だと最低100万円の資金が必要となり、なかなか簡単には手が出ませんが、 単元未満株なら10,000円から取引が可能なので、取引デビューとしては最適です。
ちなみに、SBI証券には1,000円以下で購入できる銘柄は約2,000銘柄あるのもうれしいですね。
サービスの充実が魅力
取引においては、24時間注文ができるほか、PTS(取引所金融商品市場外取引)が用意され、朝8:20から深夜23:59まで取引が可能なので、特に日中に取引ができないサラリーマンにとって、夜間PTS取引は魅力ですし、通常15時以降に発表される企業の決算発表に対して即時対応できるのも “強い味方” といえます。
SBI証券のホームページ上では、個別銘柄ごとの株価・チャート・四季報情報などのデータは当然のこと、国内および海外の株式ニュースやマーケット情報が閲覧できます。
さらに、各銘柄のランキングに加えて、個別銘柄を検討・選択するツールとしてのスクリーニング機能もあり、活用用途は広いと思います。
住信SBIネット銀行との連携
SBI証券の提携銀行として、住信SBIネット銀行への口座開設も同時に行ったほうが便利です。
普通口座のほかにハイブリット口座が用意されていて、SBI証券の口座と連携されているので、 SBI証券のサイトから、ハイブリット口座の資金を使って株式取引を行うことができます。
ハイブリット口座からの現金の引きおろしや他口座への送金はできませんが、株式投資専用口座として持っていれば、何らの支障もないでしょう。(もちろん、ハイブリット口座・普通口座間の「振替」はできます。)
口座を開設しよう
それでは、さっそくSBI証券の口座を開設のご案内をします。
口座開設には、SBI証券のホームページにアクセスして、必要事項を入力しながら進めていくことになります。開設の方法には、ネットでの開設と郵便での開設が選択できますが、スピーディーさを考えれば、前者を選択するのが良いでしょう。
必要な書類としては、スマートフォンをお持ちであれば、「マイナンバーカード」か「マイナンバー通知書+運転免許証」を撮影して提出すれば、最短で取引が可能となります。
口座開設や維持にかかる費用はありませんので、思い立ったら今すぐ申し込みましょう。
NISA口座も同時に開設申請することも忘れずに!
▶SBI証券の口座開設のサイトはこちら
今回はさらに、「㈱ネクシィーズ・トレード」からのSBI証券の口座開設についてもご案内します。株式会社ネクシィーズ・トレードは、SBI証券とのジョイントベンチャー企業で、SBI証券の口座開設サポートを業務としています。
口座開設は無料で、SBI証券に直接申し込みした場合のサービスに加えて、独自の無料電話サポート窓口が用意され、SBI証券のサポートデスクより時間的に遅くまで利用できるのがポイントです(平日19時まで)。
▼「ネクシィーズ・トレード」からの申し込みはこちらから。
実際の株式取引
口座が開設され、必要な資金を送金したら、早速取り引きをはじめてみましょう。
まずは「現物買い」からスタート
株式取引を最初に行う場合は、何らかの銘柄の「現物買い」から始めることになります。
これは、個別の株式銘柄などを自身の資金の範囲内で「買う」ことです。
買った銘柄の株価が上昇して売却すれば利益が出ますし、下がればマイナスが生じます。
下落して大きな損失が生じないように「損切り」をして手じまうのも大事な選択です。
なお、一部のプランを除き、売買には手数料がかかることや、NISAでなければ、利益の約20%に税金がかかることも念頭に置いておく必要があります。
最初はETF(上場投資信託)をオススメします
株式取引を始める際、最初にどの銘柄を買うかは迷うところです。基本的に個別銘柄を購入するには、事前にその企業の経営状態や、株価の動きなどを確認・研究することが大切ですが、初めのうちはハードルが高いですよね。とくかく、応援したりお気に入りの銘柄があればとりあえず100株、あるいは、先に紹介した単元未満株で購入するのもよいかもしれませんが、私がオススメするのは断然ETFです。
ETFとは、日経平均株価やTOPIX指数などに連動して運用される投資信託の一つですが、上場されているので、通常の株式と同じように、個人で自由に売買できます。プロに運用を任せる投資信託も選択肢の一つではありますが、運用管理費である信託報酬は割高であり、その点、投資信託の特徴である分散投資も図ることができ、売買の自由度の高いETFは初心者にうってつけの商品だと思います。
日本株の代表的なETFには、「TOPIX連動型 上場投資信託 (銘柄コード:1306)」や「NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投資信託(1591)」などがあります。
ちなみに、私も一番最初に購入したのはETFで、銘柄は「上場インデックスファンドTOPIX(1308)」でしたが、初めての取引にしては満足のいく収益を出してくれました。
株主優待の楽しみ
上場している企業の多くは、個人株主向けに株主優待を用意しています。QUOカードなどの金券が主流ですが、自社製品の詰め合わせやカタログ商品など種類も豊富です。私は、「オリックス(8591)」と「KDDI(9443)」を投資開始当初から継続保有していますが、いずれも毎年カタログ商品が届き、しかも保有継続年数によって商品もグレードアップしますので、楽しみの一つとなっています。
もちろん、本来の株式取引による損益を度外視して、株主優待のみを目的とするのは本末転倒ですが、金額的にも許容の範囲内で、長期に保有するつもりであれば、取引継続のモチベーションにもなると思います。
IPO(新規上場株式)を狙う
IPOとは、これから新たに市場に公開される株式のことです。このIPOの購入にあたっては、株式上場する前に株価などの仮条件が提示され、株式の需要予測を目的とした事前のブックビルディングへの申し込みを経て、抽選により当落選が決定します。当選者は購入意思を示したのち、取得が可能となります。
多くのIPOは、上場初日に購入額より高い価格で取引されるため、上場前に取得して、「初値売り」による利益が得られる確率が高くなっています。そのため、人気の高い銘柄は競争率が高く、取得は困難な状態です。
その点、SBI証券は、割り当ての多い主幹事を務める銘柄も多く、私が経験する限りでは、ほとんどすべてのIPO銘柄に幹事として参加しているので、会社ごとの配分数は別として、数多い銘柄への申し込みは可能です。
そして、SBI証券の最大のメリットは、「IPOチャレンジポイント」にあります。
SBI証券では、申込株数に応じた完全抽選と、ポイントによる抽選(ポイントの多い順に当選が決まる)があります。このポイントは1回の申し込みごとに付与されて、抽選にはずれても「チャレンジポイント」がもらえるので、このポイントをため続けると、ポイント抽選枠で当選する確率もあがります。ただし、人気の銘柄ともなると、数百ポイント必要となりますので、気長に貯め続けるしかないですけどね。
信用取引について
信用取引とは
現金や保有株式を担保にして、証券会社から購入資金や株式を借りて行う取引のことです。担保にして預けた3倍の資金にて取引ができるため、利益が出た場合は大きなもうけを得ることができますが、下落時には大きな損失となるためリスクの多い取引といえます。
また、現物取引とは違い、売りから入る、いわゆる「から売り」が可能なので、取得した株式が下落して「買い戻す」と、利益が得られることになります。
ただし、信用取引を行うのには、信用取引の専用口座を別途開設する必要があります。そのためには十分な現物取引の実績とリスクへの理解、証券会社の承認が必要となるため、証券口座開設後にすぐ始められるものではありません。
クロス取引にチャレンジ
信用取引を利用して、同一銘柄・同一量の「現物買い」と「信用売り」を同時に注文することをクロス取引と呼んでいます。これは、現物保有の株式の下落に対するヘッジとして信用取引の売りを充てることで、株価の大幅な変動に備える方法ですが、この方法を応用して、株主優待を取得するだけの目的で行うクロス取引もあります。
これは、株主優待の権利が得られる「権利付最終日」までに、同一銘柄を「現物買い」と「信用売り」で同数量注文し、翌日の「権利落ち日」以降に、取得した同一銘柄・同数量の株式を「現渡し」という方法で決済することによって、権利落ち日における株価の下落リスクを回避したうえで、株主優待のみ取得するというものです。注文時の手数料や、信用玉取得後の貸株料はかかりますが、その価格を上回る株主優待を得られればお得ですからね。
信用取引口座を開設して、株式投資にも慣れてきたらチャレンジしてみてください。
まとめ
以上のとおり、SBI証券に口座を開設して株式取引を開始するまでの基本的事項についいてご案内しましたが、最後に SBI証券 に関する主な事項についてまとめてみました。
- SBI証券は、ネット証券会社の最大手で、安心感と実績がある
- ネット証券最大手だからこそ、取り扱い商品や顧客サービスが充実している
- 証券取引には、住信SBIネット銀行・ハイブリット口座との連携が便利
- 証券口座開設はネット申込みが簡便、NISA口座開設も同時に申請を
- 最初の取引で迷ったら、まずはETFが一番のオススメ
- 株主優待制度も楽しみの一つです
- 信用口座を開設したら、株主優待取得目的のクロス取引にもチャレンジ
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また、本記事には、特定商品や銘柄に関する記載もありますが、一般情報の提供を目的としており、それらの商品・銘柄の勧誘を目的としたものではありません。
投資の決定は、あくまでご自身の判断と責任においてなされますようお願い致します。