秋田旅行も2日目となり、本日は「男鹿」を楽しみます。
まずは秋田駅から男鹿線に乗って男鹿半島へ。
男鹿線の旅
これまでも家族旅行で秋田市にまでは訪れたことはありましたが、男鹿は初めての場所です。
今回は「大人の休日倶楽部パス」での旅行なので、JR男鹿線で男鹿に向かいます。
秋田駅の男鹿線ホームで待っていたのは、「ACCUM」の愛称で知られる蓄電池車両(EV-E801系)です。
蓄電池車両は、非電化路線における新しい運用形態ですが、充電方式で走行するため走行距離に限度があり、JR東日本では烏山線とここ男鹿線にしか採用されていないめずらしい車両なのです
編成はそれぞれ青色と赤色に塗られた2両です。赤と青の “なまはげ” にちなんでいるようですね。
鉄道に興味のある私は事前にACCUMのことは知っていましたが、他のメンバーは興味がないので蓄電池車両のことを説明してもピンときません。
車内には蓄電池車両を説明する電子パネルが設置されていて、そのパネルを撮影していると、そのめずらしさに少し興味を示したメンバーがいる程度でした。
列車は定刻になって静かに走り出し速度を上げていきます。
追分駅を過ぎると、奥羽本線と別れ非電化区間に入るので当然架線はありませんが、ACCUMは軽快に走り進みます。
左手に海が近づくと、車窓から見える海岸線沿いに林立した風力発電用風車が印象的です。
秋田駅から1時間ほどの乗車で終点の男鹿駅に到着しました。
車両の屋根上に給電用の短い架線設備が見て取れる
迫真の “なまはげ” 実演に興奮!「男鹿真山伝承館」
駅からは幹事のK君が予約してくれていたタクシーに分乗して「なまはげ館」に向かいます。
25分ほどの走りでなまはげ館に着きましたが、「男鹿真山伝承館」でのなまはげ体験の開演時刻が迫っていたので先に伝承館に入館しました。
ここ男鹿真山伝承館は、リアルに再現される “なまはげ” を体験できる学習館となっています。
大して期待していなかったのですが、それがどうして、期待を裏切る迫真の演技で見ごたえ十分です。 観客席である座敷の最前列に座ることができたのもラッキーでした。
最初は家のご主人となまはげを先導する先立(さきだち)との秋田弁での問答から始まり、先立がそろそろおいでなされますよと言われると、扉がバシッーと開かれ、2体のなまはげが「ウォー」と唸りを利かせて乱入してきます。
ただ暴れ回るのではなく、これにも地区ごとにしきたりがあって、真山地区のなまはげは、家に入り7回、お膳に着く前に5回、立ち上がる時に3回と、それぞれシコを踏む回数が決まっているそうです。
ご主人に対して嫁や子供はなまけてないか等と問うなまはげ、そしてそれを取り繕おうとしてお酒や食事でもてなすご主人。
このやりとりが滑稽ですが、なまはげ台帳を見て疑いをもったなまはげは「泣ぐ子は居ねがー」「悪い子は居ねがー」と大声をあげてあたりを歩き回ります。一体のなまはげが裏手の扉から突然バシッと扉を開けると、観客はみな「ギャー」と驚きクライマックスに。
その後落ち着きを取り戻したなまはげさんたちは、お客さんに話しかける “サービスタイム” に移行。
どうやら、なまはげさんは若い女性客がお好きなようで・・・
最後は、なまはげさんからも、来館したお客にお礼の言葉があり、みなさんが病気やけがなく幸福になれるようにとシコを踏んで去っていかれました。
なまはげが暴れた際に落ちた蓑の切れ端を拾うと幸運が訪れるとかで、一本拾って持ち帰ることに。
男鹿真山伝承館隣のなまはげ館では、なまはげの歴史や風習を学べます。
男鹿のなかでも、地区によってなまはげの形状や儀式の方法に違いがあることを知り、なまはげ文化の奥の深さに触れることができました。
なまはげを十分堪能したのち、再びタクシーで向かったのは男鹿水族館GAOです。
タクシーの移動はそれぞれかなり距離があって、男鹿半島の広さを実感します。
水族館では、男鹿の海大水槽や人気者のホッキョクグマなどをゆっくりと見て回ります。
さて、今回の秋田旅行の観光はこの水族館で終了。館内のレストランで昼食を済ませ外へ出ると、日本海の荒々しい海岸が迫っています。
楽しい男鹿観光を終え、タクシーで男鹿駅に戻りました。
今回、男鹿半島内の観光スポットへの移動は乗り合いタクシーを利用しています。
- 4/29~9/26の土日祝日やお盆期間などには予約不要・当日乗車OKの「なまはげシャトルバス」が運航されています(2日間乗り放題で3,500円)
- 上記期間以外は、あいのりタクシーが利用できます(区間毎に料金設定あり・予約制)。
※あいのりタクシーの主な料金(いずれも消費税込み)
男鹿駅-真山エリア 1,100円
真山エリア-男鹿水族館GAO 1,100円
男鹿水族館GAO-男鹿駅 1,600円
原型エンジンのキハ40と遭遇
男鹿駅からの帰りの列車は、あらかじめ時刻表で列車番号「1136D」と確認していたので、キハ40系であることはわかっていました。
ホームに入ると、すでにお目当てのキハ40系2連が発車を待っています。
手前の車両に乗ろうとしたところ…、車両番号が「キハ40 544」ではないですか。
この車両は「DMF15HSA」という製造当初からのエンジンを搭載した、いわゆる「原型エンジン」車両です。
旅行当時でも、キハ40系の原型エンジン車両は全国的に数が少なく、極めて希少な車両なのです。
車内はワンマン化・ロングシート化されるなど改造が施されていますが、エンジンが原型だけに、独特のバリバリバリという“うるさい”エンジン音をうならせています。
幸いにも遭遇した原型エンジンのキハ40による1時間の乗車を存分に味わうことができました(喜んでいるのは私だけですが・・・)。
なお、2021年3月13日のダイヤ改正により、男鹿線におけるキハ40系の運用は終了し、すべて「ACCUM」に入れ替わりました。
原型エンジンはおろか、JR東日本におけるキハ40系列の運用がすべて終了してしまったのは、鉄道ファンにとっては何とも寂しい出来事です。
秋田駅に着いたら、あとは新幹線で東京に戻るだけ、のはずですが・・・まだ続きはありました。
「秋田旅行~おまけ」へ続く