北海道鉄道旅3日目の後半は、函館本線のキハ40に乗ってこの旅を締めくくる予定です。
では、森駅からの様子をお伝えします。
キハ40乗車の醍醐味区間
札幌から北斗10号で3時間の乗車を経て森駅に到着したのが13時58分。

森駅からキハ40への乗車が本日のハイライトです。
初日の雪模様とは変わって、今日は天気が良く森駅からも駒ヶ岳の山容を見ることができます。
以前の記事でも書きましたが、キハ40の乗車の中でも、この森駅から次の駒ヶ岳駅までの区間はキハ40乗車の醍醐味を味わえるワクワク区間だと思っています。
駒ヶ岳の裾野を縫いながら徐々に勾配を上げていくなかで、老兵のキハ40が踏ん張りながら進んでいく姿が何とも言えない共感を呼ぶからなのかもしれません。
ホームには森発函館行きの4834Dが発車を待っています。

車両はキハ40 1805の単行です。


鉄道ファンと思しき人も含めて乗客はそこそこでしょうか。函館本線からキハ40が撤退することを受けて、ダイヤ改正前に乗車しに来る人もいるのでしょう。
4834Dのキハ40は、駒ヶ岳への登りに挑むべく、森駅を後にしました。
左手の車窓に映る駒ヶ岳は、山頂部に雲がかかっているとはいえ、その美しい山容はいつ見てもいいですね。

列車は駒ヶ岳の裾野を大きく回り込んだのち、勾配を上げるため、森の中を縫うように連なる鉄路を力行していきます。

勾配がきつくなるとかなりの低速運行となり、苦しみながら頑張っている様子が窺えます。
およそ20分かけて、ようやく駒ヶ岳駅に到着。ここからは下り勾配となるため、4834Dは安心したかのように軽やかなエンジン音を鳴らして進み行きます。
赤井川駅に近づくと線路脇にも牧場の光景が見られ、さらに右手に小沼が見えると、今度は右手後方に駒ヶ岳の雄大な山容が見て取れます。
その後、新函館北斗を経て終点の函館に到着。

旅の終わりに、この区間でのキハ40に乗れて本当に良かった。思い出に残る時間となりました。

函館駅に着くと、道南いさりび鉄道のホームにキハ40の2両が止まっています。

その2両は、ながまれ号のキハ40 1793と国鉄急行色のキハ40 1798。


道南いさりび鉄道の車両はすべてキハ40ですが、同社のオリジナル塗色のほか、この国鉄急行色や国鉄首都圏色(朱色)が存在しているのは頼もしいですね。
北海道でのラスト乗車
これで今日を終えるのはもったいないので、最後にもう一本キハ40に乗ります。
その最後を飾る列車は、函館16時14分発七飯行きの1875Dです。

1875Dは、キハ40 1806+キハ40 1736の2両編成でした。最後に乗るキハ40が2両編成とは嬉しい限りです。

ただし、この列車に乗るのは次の五稜郭駅までの一駅。
函館駅を発車した1875Dは、左手に車両基地を見ながら進みますが、道南いさりび鉄道のキハ40も多く停車しているので目を楽しませてくれます。

わずか6分足らずの乗車でしたが、最後の一本を十分楽しみました。

これにより、今回の北海道鉄道旅において、予定したキハ40への乗車はすべて終了し、思い出を胸に締めくくることができました。
五稜郭から函館へ折り返す2842Dがキハ40であることをわずかに期待しましたが、やはり長万部から函館まで通し運行されるのは、予想通りキハ150でした。

函館駅に戻ると、道南いさりび鉄道のホームには、濃赤色のキハ40 1814が発車を待っていました。

これにて北海道における鉄道旅の締めくくりとなります。
改札を出ると、今日の宿泊先であるJRイン函館に向かいました。

今回の旅行においては、昨年までと比べると、キハ40の運行線区がかなり限定され、函館本線でも本数が減っていましたが、それでも根室本線やここ函館本線で何本かのキハ40に乗れたことは収穫でした。
今回のダイヤ改正により、キハ40は根室本線や函館本線から一掃され、室蘭本線や日高本線でまだ残るともいわれていますが、ほぼ役割を終えたとも言えます。
長年にわたり活躍した老兵が北海道の地から去り行くのは寂しい限りですが、たくさんの思い出を与えてくれたことに感謝しつつ、この旅を終えます。
今回の鉄道旅は、翌日に北海道から青森に移動し、弘南鉄道を訪ねるべく続きますが、それはまた別の記事にてご案内することとし、北海道シリーズはこれで完とします。
【キハ40を追う~北海道編4th】(完)